肥満の方だけの病気ではありません〜睡眠時無呼吸症候群〜

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることにより日常生活に様々な障害を引き起こす疾患です。

「最近50年で認識された最も重要な病態」とされています。

重症のOSAの15年生存率は60%と命に関わる病気です。

OSAは検査で発見でき、効果的な治療法があります。

日本人は肥満の程度が低くても顔面の形態からOSAを発症しやすい人種と言われています。

OSAになると酸素欠乏状態になり心臓や血管に負荷がかかります。それにより様々な合併症を引き起こします。

脳卒中は3.5倍、うつは4.9倍、高血圧は2倍、心不全は4.3倍、不整脈は3.2倍、虚血性心疾患は2.5倍、2型糖尿病は2.2倍のリスクがあります。

また、中学生以下で睡眠中にイビキをかくということは正常な呼吸とはいえず治療の対象となる場合があります。

・イビキをかく

・睡眠中に息が止まっていると言われたことがある

・日中の過剰傾眠、熟睡感の欠如、全身倦怠感

・高血圧

上記4つのうち2つ以上当てはまる場合は受診をお勧め致します。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の上下分離型治療用口腔内装置を作成できるようになりました。

これまでは保険適用の上下一体型のみしか製作できませんでした。

上下一体型は装置の破折や装着中の歯や顎関節の痛みなど不具合が出ることがあります。また、世界的には上下分離型が主流で上下一体型は調整が困難なことから日本以外ではほとんど使用されていません。

この度ソムノメッドのセミナーを受講し上下分離型のソムノデントアヴァントを作成することができるようになりました。上下分離型は保険適用外ですが歯ぎしりのある方でも使用でき下顎の位置の調整が容易ですので今まで上下一体型でうまく効果が出なかった方にお勧めです。

日本睡眠歯科学会の閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関する診療ガイドラインでは「上下一体型を弱く推奨する」となっていますので健康保険での上下一体型をまず装着していただいて不具合が出た場合には上下分離型を選択するのがオススメです。