感染対策〜器具の消毒・滅菌〜

器具の消毒・滅菌はとても重要です。

その中でも一番最初の「洗浄」が最重要過程です。

歯科領域では「洗浄」で使用される薬液に「洗浄・消毒」が同時に行えるものが多数販売され使用されていますが「消毒」効果のある薬剤を使用すると血液やタンパクが凝固して器具にくっついて取れなくなってしまい「洗浄」できません。「洗浄」と「消毒」を同時に行うことは不可能ですので別々の工程で行わなければなりません。

当院では「洗浄」効果が非常に高いMEEBウォッシュを使用し確実に血液・タンパク汚れを除去してから温水洗浄、高圧蒸気滅菌を行いみなさんに案して治療を受けていただけるようにしています。

夏場の水分補給

脱水予防のためには十分な水分補給が必要になります。

熱中症予防のためには水分だけでなくナトリウムやカリウムの喪失を補うことが大切です。

熱中症予防のために市販のスポーツドリンクで水分補給しようとする方も多いと思いますが、スポーツドリンクは糖質量が多く、脱水予防のメリットより血糖上昇のデメリットが上回ることがあります。また、多くの糖が含まれているため虫歯のリスクが高まります。

1日3食をしっかり食べていれば無糖の水やお茶で十分に水分補給できることがほとんどです。私のオススメはミネラル麦茶です。

また、ナトリウムを補給するため塩飴を摂取する方もあります。1日に1〜2個ならいいですが5個以上食べると塩分の過剰摂取になるため注意が必要です。

月刊糖尿病ライフ さかえ 7月号改編

第133回日本補綴歯科学会

今年は幕張メッセで開催されました。オンラインでも参加できましたが、昨年オンラインからの質問が割愛されてしまい非常に残念な思いをしたので休診して参加してきました。現地にいると発表者に直接質問できるのがやはり大きなメリットです。

今回の専門医リレーセッションで最も衝撃的だったのはフィニッシュラインです。被せ物を作るときに歯をどこまで削るか?ということです。

「審美領域や止むを得ない事情がない限り原則として歯肉縁上にフィニッシュラインを置く」となりました。私が学生の頃(約30年)は「フィニッシュラインは歯肉縁下0.5ミリとする」だったので全く異なります。

L8020乳酸菌を発見された広島大学の二川先生とも直接お話できました。L8020乳酸菌は虫歯のないヒトから分離された善玉菌で歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌を減らす作用があります。

口の中には800種類くらいの菌がいますが悪玉菌は約1%です。殺菌作用の強い洗口剤は善玉菌も悪玉菌も殺してしまいますがL8020マウスウォッシュは殺菌剤ではなく善玉菌を増やして悪玉菌を減らすものです。

2週間の連続使用で悪玉菌を約80%減らすことができるそうです。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の上下分離型治療用口腔内装置を作成できるようになりました。

これまでは保険適用の上下一体型のみしか製作できませんでした。

上下一体型は装置の破折や装着中の歯や顎関節の痛みなど不具合が出ることがあります。また、世界的には上下分離型が主流で上下一体型は調整が困難なことから日本以外ではほとんど使用されていません。

この度ソムノメッドのセミナーを受講し上下分離型のソムノデントアヴァントを作成することができるようになりました。上下分離型は保険適用外ですが歯ぎしりのある方でも使用でき下顎の位置の調整が容易ですので今まで上下一体型でうまく効果が出なかった方にお勧めです。

日本睡眠歯科学会の閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置に関する診療ガイドラインでは「上下一体型を弱く推奨する」となっていますので健康保険での上下一体型をまず装着していただいて不具合が出た場合には上下分離型を選択するのがオススメです。