11月8日は「いい歯の日」

今日は「いい歯の日」です。
日本各地で歯に関するイベントが開催されていると思います。

宝塚市でも11月13日(日)に宝塚市中央図書館2階ホールで12時〜15時まで無料歯科検診・相談を行います。詳しくは宝塚市歯科医師会のホームページをご覧ください(http://www.tda8020.jp/index.html
阪急宝塚線清荒神駅のすぐそばで交通アクセスも抜群です。
虫歯・歯周病は自覚症状なく進行する病気ですので、「そういえばここ最近歯医者に行ってないな〜」と思われた方!ぜひこの機会に検診を受けてみてください。
宝塚市歯科医師会会員の診療所でも「いい歯の日」に合わせて無料歯科検診を行っています。詳しくは各診療所に直接お問い合わせください。
当院では11月12日(土)の12時30分から13時45分まで先着5名様のみ完全予約制で無料歯科検診・相談を行います。ご希望の方はお電話でご予約ください。0797−71−0418
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痛いところが治ったらそれでいいのになんで「全体を調べてみよう」っていうの?

痛いところの処置が終わったら「一度全体をちゃんと調べてみたらどうですか?」と言われたことがありませんか?
「痛いところがなくなったし、忙しいからもういいよ」と思われているかもしれません。しかし、虫歯や歯周病というのは自覚症状がほとんどない病気です。
「虫歯は痛いでしょ」と言われる方が多いですが、実は多くの虫歯はかなり大きくならないとそれほど痛みがないのです。虫歯が大きくなればなるほど処置にかかる時間は長くなり、ひどい場合は歯の中にある神経を取らなくてはならない場合もあります。神経を取ると歯の寿命は短くなります。
歯周病はかなり進行しなければ痛みは出ません。歯がグラグラ動き始めて「食事をすると歯が動くから痛くて食べれない」という状況になるまであまり痛くなりません。食べれないほど歯がグラグラ動いている場合は歯を抜かなければならない場合があります。写真の方も自覚症状はありません。
歯ブラシの時に歯茎から血が出ても痛みがないので緊急性が感じられず放置されどんどん歯周病が進んでいってしまうことが多いのです。
自覚症状がほとんどない、というのが口の中の病気の特徴で、歯周病の検査、レントゲン撮影を行わなければ病状は把握できません。
口というのは1つの消化器官ですので1本の歯になんらかの症状が出ている場合は、他の歯も同様な条件下に置かれているため自覚症状なく同じような病気になっている可能性が高いわけです。ですから、痛みのある緊急性のある歯の治療がひと段落した時点で口の中全体の検査をお勧めして問題があるところがあれば早期に改善する、また、調べてみて問題がなければ良好な状態を維持するためにはどのようなことに気をつければよいかをお伝えしてご自分の歯を長く使用していただけるよう御提案しメインテナンスをさせていただきます。
自分の歯をしっかり守って美味しく食べて健康に過ごしていただきたいと思います。

BPS認定歯科医師って肩書きがあるけどBPSって何?

BPS
BPSとはBiofunctional Prosthetic Systemの略です。生体機能的補綴システムと訳されていますが何のことかわかりませんね。
BPSはリヒテンシュタインに本社があるイボクラールビバデント(http://www.ivoclarvivadent.jp/jp/)という会社とヨーロッパの歯科大学、開業医が共同で開発した高品質な入れ歯を製作するためのシステムです。このシステムが最も得意とする分野は総入れ歯です。欧米の多くの歯科大学はこのシステムを取り入れており、現在、日本でも9大学が認定大学となってこのシステムでの入れ歯の作り方を教育しています。今後増えてくると思われます。
入れ歯の重要な役割は健康な歯の時と同じように話をしたり食事ができたりすることです。
BPS入れ歯の特徴
①食事の快適さ
食事や話をする時の舌、粘膜、筋肉の動きを正確に調べて入れ歯が最も安定する位置に入れ歯を作りますので動きが少なくはずれにくいです。正確な噛み合わせを調べることにより上下の歯でしっかりと噛むことができ食事が快適です。
②口元の美しさ
BPSで使用する人工歯は日本で使用されている中でも最高級のものでドイツのデザイナーがデザインしイタリアで製造されています。一人一人の口元に合わせて歯並びを変え、歯茎の色も変えることが可能です。入れ歯っぽくない入れ歯が作れます。
③安全性と長期予後
BPSで使用する材料はヨーロッパの安全基準に合格した1社のみが製作し品質管理を行っています。環境ホルモンも従来の入れ歯の材料の3分の1に抑えられています。十分な強度があり入れ歯表面に着く細菌の増殖が少ないため匂いがつきにくく変色しにくい材料です。
④システム・実績
特別な教育を受けたBPS認定歯科医師とBPS認定歯科技工士のみが作ることができる入れ歯です。決められた技術と材料を使用し認定歯科医師と認定歯科技工士がしっかりした協力体制を作り患者様のご要望にお応えします。
⑤費用
BPSは健康保険の適応がありません。医院によって価格の違う自由診療です。当院での価格は片顎35万円(税別)です。

入れ歯の難易度には個人差があります。どなたでも完全に満足していただくことは難しいですし、治療後の機能回復の力には個人差があります。その個人差の中でも最も良いものを選んでいただき美味しく食べて健康に過ごしていただきたいと存じます。

親知らずは抜かないといけないの?


抜かなければいけない場合と抜かなくてもいい場合があります。
写真のように一番奥の親知らずが半分しか生えていない場合や、横を向いていてまっすぐ生える可能性がないのに少しだけ顔を出しているような場合は抜いたほうがいいです。
汚れや歯垢が溜まりやすいことと、たまったものが歯磨きをしても取り除けないことが主な理由です。歯垢が残ったままだと歯周病も虫歯もなりやすいです。
親知らずだけが虫歯や歯周病になるだけならまだマシですが、親知らずが歯磨きできないことにより、手前の歯が虫歯や歯周病になることが多いのです。役に立たないくせに周りの歯を虫歯にするなんて許せませんよね?役に立つ可能性のない親知らずは早めに抜いておいたほうが他の歯に悪影響を与えません。
ではいつ頃抜くのがいいのか?
抜くと決めたら早めがいいです。学生の方であれば学生の間に抜いてしまいましょう。親知らずは一般診療所で抜ける場合もありますが、横になっていたり半分潜っていたりすると口腔外科で抜いてもらう場合が多いです。口腔外科は総合病院にありますので平日の午前中しか初診で見てもらえない場合が多いのです。社会人になってからだと平日午前に休みを取るのはなかなか難しいので学生の間がいいのではないでしょうか?
年齢が上がるほど骨が硬くなり抜きにくくなるので抜くと決めたら早めに抜いたほうがいいでしょう。
抜かなくてもいい親知らずは、まっすぐ生えていて歯磨きがしっかりできるものです。
親知らずの状況は人によって様々です。ネットで不確実な情報を見て不安になるくらいなら歯科医院で診察してもらってご自分の親知らずは抜くべきなのか?抜かなくてもいいのか?判断していただくのが最も良いと思います。
(親知らずと思っていたら実は親知らずではなく7番目の歯だったなんてこともたまにあります。親知らずは8番目です)

特定保健用食品(トクホ)って何なん?


日本糖尿病協会が発行する「月刊糖尿病ライフ さかえ 10月号」にわかりやすく記載されていましたのでまとめてみました。
食品には写真の図のように効果・効能の表示が認められていない「一般食品」と、効果・効能の表示が認められている「保健機能食品」に分けられます。
一般に健康食品と言われているものは「体に良さそう」と思って食べたり飲んだりするものですが効果や効能を書いてはいけないことになっています。逆に言えば効果・効能を書いていなければ何を書いてもいいわけです。ですから効果がありそうな気がする文言が書いてあります。病気を改善する健康食品はありません。健康食品は一般食品に含まれています。また健康食品の中には錠剤や粉末になっていていかにも薬っぽく効きそうなサプリメントといわれるものがありますがこれも一般食品です。病気を改善するものではありません。効きそうな気がするだけです。
保険機能食品のなかには写真の図のように「特定保健用食品」(健康増進法で規定)「栄養機能食品」「機能性表示食品」(それぞれ食品表示法で規定)があります。
特定保健用食品はトクホと呼ばれています。消費者庁に届け出が必要で個別に審査され、許可をもらわなければなりません。病気の治療に用いるのではなく、健康が気になる方を対象に作られた食品です。効果はかなり小さいので多大な期待を寄せないように注意が必要です。
栄養機能食品は届け出の必要がありません。栄養成分の機能を、定められた表現でのみ表示することができます。定められた表現しかできないので販売者にとってはあまりメリットがないのではないでしょうか。
機能性表示食品は健康政策ではなく、経済活性化のために作られた制度です。健康食品事業の活性化を目的に作られた制度であって国民の健康増進のために作られた制度ではありません。つまり、商品販売が目的の制度というわけです。届け出のみで審査はありません。審査がないので販売事業者の主張したいことが書かれています。ですから消費者は消費者庁の「機能性表示食品に関する情報」のホームページ(http://www.caa.go.jp/foods/index23.html)に開示された情報を自分で確認し利用価値があるかどうか自分で判断しなければなりません。開示された情報の科学的根拠の質についての検証はこちらをご覧ください。http://www.caa.go.jp/foods/pdf/food_with_function_report_0001.pdf
売る側にとって都合の悪いことは知らせない広告もあるので開示された情報に科学的根拠があるのかどうか、また採用されている論文の質が高いかどうか自分でしっかり吟味する必要があります。
審査・許可が必要な特定保健用食品でさえ効果はかなり小さいといわれていますのでその他の食品の効果はたかが知れていると思います。一般的な健康食品はなおさらでしょう。
国の制度に基づいているのですが保健機能食品の機能性(効果・効能)はほんの少ししかありません。保健機能食品をふくめた「健康食品」の類の宣伝文句に誘惑されないよう適切な食生活や運動などは、かかりつけの医療スタッフと相談し医師からの投薬はしっかり守って健康維持に努めましょう。