BPS認定歯科医師って肩書きがあるけどBPSって何?

BPS
BPSとはBiofunctional Prosthetic Systemの略です。生体機能的補綴システムと訳されていますが何のことかわかりませんね。
BPSはリヒテンシュタインに本社があるイボクラールビバデント(http://www.ivoclarvivadent.jp/jp/)という会社とヨーロッパの歯科大学、開業医が共同で開発した高品質な入れ歯を製作するためのシステムです。このシステムが最も得意とする分野は総入れ歯です。欧米の多くの歯科大学はこのシステムを取り入れており、現在、日本でも9大学が認定大学となってこのシステムでの入れ歯の作り方を教育しています。今後増えてくると思われます。
入れ歯の重要な役割は健康な歯の時と同じように話をしたり食事ができたりすることです。
BPS入れ歯の特徴
①食事の快適さ
食事や話をする時の舌、粘膜、筋肉の動きを正確に調べて入れ歯が最も安定する位置に入れ歯を作りますので動きが少なくはずれにくいです。正確な噛み合わせを調べることにより上下の歯でしっかりと噛むことができ食事が快適です。
②口元の美しさ
BPSで使用する人工歯は日本で使用されている中でも最高級のものでドイツのデザイナーがデザインしイタリアで製造されています。一人一人の口元に合わせて歯並びを変え、歯茎の色も変えることが可能です。入れ歯っぽくない入れ歯が作れます。
③安全性と長期予後
BPSで使用する材料はヨーロッパの安全基準に合格した1社のみが製作し品質管理を行っています。環境ホルモンも従来の入れ歯の材料の3分の1に抑えられています。十分な強度があり入れ歯表面に着く細菌の増殖が少ないため匂いがつきにくく変色しにくい材料です。
④システム・実績
特別な教育を受けたBPS認定歯科医師とBPS認定歯科技工士のみが作ることができる入れ歯です。決められた技術と材料を使用し認定歯科医師と認定歯科技工士がしっかりした協力体制を作り患者様のご要望にお応えします。
⑤費用
BPSは健康保険の適応がありません。医院によって価格の違う自由診療です。当院での価格は片顎35万円(税別)です。

入れ歯の難易度には個人差があります。どなたでも完全に満足していただくことは難しいですし、治療後の機能回復の力には個人差があります。その個人差の中でも最も良いものを選んでいただき美味しく食べて健康に過ごしていただきたいと存じます。

親知らずは抜かないといけないの?


抜かなければいけない場合と抜かなくてもいい場合があります。
写真のように一番奥の親知らずが半分しか生えていない場合や、横を向いていてまっすぐ生える可能性がないのに少しだけ顔を出しているような場合は抜いたほうがいいです。
汚れや歯垢が溜まりやすいことと、たまったものが歯磨きをしても取り除けないことが主な理由です。歯垢が残ったままだと歯周病も虫歯もなりやすいです。
親知らずだけが虫歯や歯周病になるだけならまだマシですが、親知らずが歯磨きできないことにより、手前の歯が虫歯や歯周病になることが多いのです。役に立たないくせに周りの歯を虫歯にするなんて許せませんよね?役に立つ可能性のない親知らずは早めに抜いておいたほうが他の歯に悪影響を与えません。
ではいつ頃抜くのがいいのか?
抜くと決めたら早めがいいです。学生の方であれば学生の間に抜いてしまいましょう。親知らずは一般診療所で抜ける場合もありますが、横になっていたり半分潜っていたりすると口腔外科で抜いてもらう場合が多いです。口腔外科は総合病院にありますので平日の午前中しか初診で見てもらえない場合が多いのです。社会人になってからだと平日午前に休みを取るのはなかなか難しいので学生の間がいいのではないでしょうか?
年齢が上がるほど骨が硬くなり抜きにくくなるので抜くと決めたら早めに抜いたほうがいいでしょう。
抜かなくてもいい親知らずは、まっすぐ生えていて歯磨きがしっかりできるものです。
親知らずの状況は人によって様々です。ネットで不確実な情報を見て不安になるくらいなら歯科医院で診察してもらってご自分の親知らずは抜くべきなのか?抜かなくてもいいのか?判断していただくのが最も良いと思います。
(親知らずと思っていたら実は親知らずではなく7番目の歯だったなんてこともたまにあります。親知らずは8番目です)

特定保健用食品(トクホ)って何なん?


日本糖尿病協会が発行する「月刊糖尿病ライフ さかえ 10月号」にわかりやすく記載されていましたのでまとめてみました。
食品には写真の図のように効果・効能の表示が認められていない「一般食品」と、効果・効能の表示が認められている「保健機能食品」に分けられます。
一般に健康食品と言われているものは「体に良さそう」と思って食べたり飲んだりするものですが効果や効能を書いてはいけないことになっています。逆に言えば効果・効能を書いていなければ何を書いてもいいわけです。ですから効果がありそうな気がする文言が書いてあります。病気を改善する健康食品はありません。健康食品は一般食品に含まれています。また健康食品の中には錠剤や粉末になっていていかにも薬っぽく効きそうなサプリメントといわれるものがありますがこれも一般食品です。病気を改善するものではありません。効きそうな気がするだけです。
保険機能食品のなかには写真の図のように「特定保健用食品」(健康増進法で規定)「栄養機能食品」「機能性表示食品」(それぞれ食品表示法で規定)があります。
特定保健用食品はトクホと呼ばれています。消費者庁に届け出が必要で個別に審査され、許可をもらわなければなりません。病気の治療に用いるのではなく、健康が気になる方を対象に作られた食品です。効果はかなり小さいので多大な期待を寄せないように注意が必要です。
栄養機能食品は届け出の必要がありません。栄養成分の機能を、定められた表現でのみ表示することができます。定められた表現しかできないので販売者にとってはあまりメリットがないのではないでしょうか。
機能性表示食品は健康政策ではなく、経済活性化のために作られた制度です。健康食品事業の活性化を目的に作られた制度であって国民の健康増進のために作られた制度ではありません。つまり、商品販売が目的の制度というわけです。届け出のみで審査はありません。審査がないので販売事業者の主張したいことが書かれています。ですから消費者は消費者庁の「機能性表示食品に関する情報」のホームページ(http://www.caa.go.jp/foods/index23.html)に開示された情報を自分で確認し利用価値があるかどうか自分で判断しなければなりません。開示された情報の科学的根拠の質についての検証はこちらをご覧ください。http://www.caa.go.jp/foods/pdf/food_with_function_report_0001.pdf
売る側にとって都合の悪いことは知らせない広告もあるので開示された情報に科学的根拠があるのかどうか、また採用されている論文の質が高いかどうか自分でしっかり吟味する必要があります。
審査・許可が必要な特定保健用食品でさえ効果はかなり小さいといわれていますのでその他の食品の効果はたかが知れていると思います。一般的な健康食品はなおさらでしょう。
国の制度に基づいているのですが保健機能食品の機能性(効果・効能)はほんの少ししかありません。保健機能食品をふくめた「健康食品」の類の宣伝文句に誘惑されないよう適切な食生活や運動などは、かかりつけの医療スタッフと相談し医師からの投薬はしっかり守って健康維持に努めましょう。

歯を白くする歯磨き粉ってどんなの?


さまざまな歯磨き粉が販売されていますが当院でお勧めしているのはブリリアントモア(ライオン)です。
ちなみに歯磨きで歯を白くするのと、ホワイトニングで歯を白くするのは根本的に別物です。歯磨き粉は歯の表面についている着色汚れをきれいにするもの。ホワイトニングは歯そのものの色を白く変えることです。
美白歯磨剤と言われるこの歯磨き粉ブリリアントモアは研磨剤で着色を取り除くのではありません。歯の表面から着色汚れを浮き上がらせる化学的ステイン除去成分「ピロリン酸ナトリウム」が配合されていますので歯の表面を傷つけずに着色汚れを取り除き白い歯をキープできるのです。
もちろん虫歯予防のためのフッ素配合です。
さて以下は化学的な話になるので「どうやって化学的に着色汚れを取るの?」ということにご興味のある方はご覧ください。
着色汚れは負に帯電しています。歯の表面のエナメル質はカルシウムイオンで正に帯電しています。着色汚れはこの正と負のイオン結合でしっかり結びついています。
ピロリン酸ナトリウムは着色汚れよりもカルシウムイオンとの親和力が強いため着色汚れに取り変わってカルシウムイオンと結びつき着色汚れを浮き上がらせるのです。
歯を着色しやすい着色性食品
コーヒー、紅茶、コーラ、ウーロン茶、赤ワイン、ブルーベリー、カレーライス、醤油、ソースなど
着色を助長する着色補助食品
炭酸飲料全般、アルコール、スポーツドリンク、柑橘系の飲食物、クエン酸、お酢、梅干等
最近、「歯を白くする歯磨き粉」で「ちょっと高すぎるんじゃない?」と思うものもありますね。
参考までにこのブリリアントモアの歯科医院での販売価格は90g 950円(税別)です。
「歯科用」となっていますがネットでも購入できるようです。

虫歯予防のガムって効果あるの?


歯の表面を覆っているエナメル質はハイドロキシアパタイトという結晶からできています。(ハイドロキシアパタイト=Ca10(PO4)6(OH)2)この結晶は酸に弱く、食事のたびにカルシウムとリン酸が溶け出します(脱灰)
この脱灰に対してカルシウムとリン酸をエナメル質に補給することを再石灰化とよんでいます。
この再石灰化を積極的に促すことが虫歯予防に重要だとされています。

当院でお勧めしているガムはPOs-Ca・F(ポスカF:江崎グリコ)です。
POs-Caはジャガイモのデンプンから得られるリン酸化オリゴ糖ですが虫歯菌は利用できないので虫歯の原因になる酸は作られません。そして歯の表面の細い隙間を通り抜けて脱灰部に浸透し再石灰化に利用されます。
また、POs-Caは高い緩衝能を発揮して口の中のpHを引き上げて脱灰を抑制します。
また緑茶エキスのF(フッ素)を配合することにより再石灰化力が増強されています。
虫歯予防用のガムPOs-Ca・Fは脱灰を抑制し再石灰化を促進する、まさに虫歯予防用と呼べるガムなのです。
顎関節症の方がガムを噛むのは禁忌ですのでご利用いただけません。「顎を鍛えるためにガムを噛む」という方がたまにいらっしゃいますが、かえって症状を悪化させますのでお控えください。