食後30分間は歯を磨いたらダメなんじゃないの?

テレビの影響力は恐ろしいですね。
この話をブログに書くのはおそらく4回目・・・
誤った知識がかなり広く浸透してしまっています。まだそれが正確に否定されていないことに報道しっぱなしのテレビの恐ろしさを痛感します。
有名大学の有名教授がテレビ番組で言ってしまいました。テレビで言っちゃったことを学会のホームページで否定しても誰も読んでないですよね?テレビで間違ったことを言ったならテレビで否定しなければいけないと思います。
噂によると「食べてすぐ磨きましょう、って言ったら番組的に面白くないから他の事言ってくださいよ」、と言われて思わず言っちゃったとか。
簡単にいうと「やらせ」みたいなものですね。
食後の歯磨きについては、歯のむし歯予防の見地から、これまで一般的に推奨されてきたとおり、食後の早い時間内に行うことをお勧めします。
このテレビで言っちゃった有名教授が所属している日本歯科保存学会のステートメントに「食後30分間は歯磨きを避けること」についての見解が掲載されています。
このステートメントでも「食後早い時間に歯磨きすることをすすめる」と明記されており、「酸性食品を食べたからと言って食後30分は歯磨きを避けなければならないということは確認されていない」と書かれています。
もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「食後30分間は歯磨きを避けること」についての見解

フッ素入り歯磨き粉のフッ素濃度が変わります!

平成29年3月17日に1000ppmを超えるフッ素濃度の歯磨き粉が医薬部外品として承認されました。
今まで日本では1000ppmが上限でしたがこの度1500ppmまで引き上げられました。
ISO(国際標準化機構)ではフッ素濃度の上限は1500ppmとされていますので諸外国の歯磨き粉のフッ素濃度は1100ppmか1450ppmの物が多いのです。
なぜ濃度にこだわっているか?というと「う蝕治療のガイドライン」に「初期根面う蝕に対して1100ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用だけでも表面の欠損の深さが0.5mm未満のう蝕であれば、再石灰化できる可能性がある」と記載されているからです。欠損の浅い初期の根面う蝕はまずフッ化物を用いた非侵襲的治療を行って再石灰化を試みう蝕を管理するよう推奨される、となっています。
推奨の強さはBですから「科学的根拠があり行うよう勧められる」というレベルです。
日本の歯磨き粉の主流は950ppmですからちょっと足りないのです。早く商品化されていい歯磨き粉が出てきたらまたお知らせします。
「出ました!高濃度フッ化物配合歯磨き粉!」はこちら
歯磨き粉選びのポイント動画はこちら

痛いところが治ったらそれでいいのになんで「全体を調べてみよう」っていうの?

痛いところの処置が終わったら「一度全体をちゃんと調べてみたらどうですか?」と言われたことがありませんか?
「痛いところがなくなったし、忙しいからもういいよ」と思われているかもしれません。しかし、虫歯や歯周病というのは自覚症状がほとんどない病気です。
「虫歯は痛いでしょ」と言われる方が多いですが、実は多くの虫歯はかなり大きくならないとそれほど痛みがないのです。虫歯が大きくなればなるほど処置にかかる時間は長くなり、ひどい場合は歯の中にある神経を取らなくてはならない場合もあります。神経を取ると歯の寿命は短くなります。
歯周病はかなり進行しなければ痛みは出ません。歯がグラグラ動き始めて「食事をすると歯が動くから痛くて食べれない」という状況になるまであまり痛くなりません。食べれないほど歯がグラグラ動いている場合は歯を抜かなければならない場合があります。写真の方も自覚症状はありません。
歯ブラシの時に歯茎から血が出ても痛みがないので緊急性が感じられず放置されどんどん歯周病が進んでいってしまうことが多いのです。
自覚症状がほとんどない、というのが口の中の病気の特徴で、歯周病の検査、レントゲン撮影を行わなければ病状は把握できません。
口というのは1つの消化器官ですので1本の歯になんらかの症状が出ている場合は、他の歯も同様な条件下に置かれているため自覚症状なく同じような病気になっている可能性が高いわけです。ですから、痛みのある緊急性のある歯の治療がひと段落した時点で口の中全体の検査をお勧めして問題があるところがあれば早期に改善する、また、調べてみて問題がなければ良好な状態を維持するためにはどのようなことに気をつければよいかをお伝えしてご自分の歯を長く使用していただけるよう御提案しメインテナンスをさせていただきます。
自分の歯をしっかり守って美味しく食べて健康に過ごしていただきたいと思います。