何を考えて治療計画を立て、治療をしているのか?

治療計画
口腔内全体の検査が終わったら治療計画を立てます。
そのとき注意していることは、「自分だったらどうして欲しいだろうか?」ということです。もちろん歯科の知識があるのでベストの選択をしたいと考えます。

患者様が自分の年齢と離れているときはもう一つ考えます。「自分の家族だったら、親戚だったらどうしてあげるだろうか?」です。

すべての年齢の方に共通のベストの治療方法はないと考えています。年齢や体調を考えたとき、自分の祖父や祖母なら、父や母なら、兄弟なら、成長過程を考えたとき、息子、娘ならどうしてあげるかを考えて自分が考えるベストの治療方法をご提案しています。

治療計画だけではありません。治療過程にもこだわります。
拡大鏡を使って確実に見る。根管治療であればラバーダム(ゴムのマスクを歯につけて唾液で歯の中が感染しないようにする物)をする。CR充填であればZOO(口の中に溜まった水や唾液を吸い取る器械に特殊なZOOという装置をつけて歯が唾液で濡れてしまわないようにし、接着剤の性能を最大限に発揮する物)を使って防湿をしっかり行う。印象(歯型)を取る時には歯肉圧排(歯と歯茎の間に特殊な糸を入れてどこまで削っているかはっきりと技工士さんが確認できるようにする作業)を行う。トレーには各種印象材用の接着剤を塗って変形を最小限に抑える。印象材、石膏の混水比(水と粉を混ぜる量は材料によって決まっています)は正確に計量する、などです。
すべて自分が治療してもらうとしたら必ず行って欲しいことですから実際の治療でも行います。残念ながら自費と保険では同じ内容の治療過程はできませんが保険でもできるだけ精度の高い治療ができるように心がけています。