「奥歯は保険で白い歯はできません」聞かれたことがあると思います。
まとめて書こうと思ったのですが思いのほか長くなってしまうのでまずは奥歯の保険の歯について。
単冠と呼ばれる1本だけをかぶせる場合のお話です。
ブリッジはより細かな制限があるのであてはまりません。
今のところ健康保険で白くできるのは第2小臼歯(糸切り歯の2つ奥)までです。白くできるものはかぶせるものに限ります。部分的に、はめ込むもの(インレー、オンレー)でチラッと金属が見えるものは今でも白いものは保険では認められていません。CR(コンポジットレジン)と言われる小さい虫歯に詰めるプラスチックは保険で認められていますが大きな虫歯には向いていません。
金属アレルギーがある方は大臼歯まで保険で白いかぶせる歯が認められています。(医師の診断書が必要です)
では、保険で認められている白い歯はどのようなものなのか?
前歯と臼歯で材料が異なっています。なぜ違うのか時々質問されますが、それはお上が決めることですので我々に聞かれてもわかりません。健康保険にはお上が決めた多くの細かい決まりごとがあるのです。
では、小臼歯で保険が認められる白い歯の材料は?
硬質レジンジャケットクラウンとCADCAM冠の2種類です。
どちらも歯科医院で型をとり、一般的に技工士さんが製作します(まれに歯科医師が自分で作る場合もあります)
歯肉圧排は行わず、型をとる材料は一般的に寒天+アルジネートと言われる安価で簡便な印象材が使用されます。石膏は硬石膏を用います。ですので精度は二の次になってしまうのは致し方ありません。
当院では日本国内の技工所にお願いして作ってもらっています。一般的に自費と保険では作ってくれる技工士さんが異なります。
硬質レジンジャケットクラウンは技工士さんが模型の上でプラスチックを積み上げながら歯の形を作っていくもので全てがプラスチックでできています。
見た目は綺麗ですが強度に少し不安があります。時々外れたり、壊れたりすることがあります。プラスチックですので長年使用していただくと変色してくることがあります。
硬質レジンジャケットクラウンは小臼歯に使用する場合「応分の咬合圧に十分耐えられることが条件」と記載されています。前歯よりも力がかかるので力がかかりすぎる場合は適応ではありません。(例えば奥歯がなくて小臼歯が噛み合わせの中心を担っている場合など)
CADCAM冠はプラスチックの塊をコンピューターがくり抜いて歯の形を作るものです。硬質レジンジャケットクラウンより物性は優れていますが接着が難しく外れることが時々あります。
小臼歯に保険で認められている白い歯は全てプラスチックです。
経年的な変色、破折、脱離はある程度は致し方ないと考えられます。
しかし、型取りから口の中に装着するまでだいたい3万5千円くらいするものが窓口3割負担の約1万円で処置してもらえるので何と言っても安価です。
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