熱中症対策 〜スポーツドリンクは熱中症予防になるのか?〜

もうすでに真夏日です。熱中症対策が必要です。
月刊糖尿病ライフ さかえ 6月号の特別企画2に「水分補給と熱中症対策」という記事が掲載されていました。
熱中症予防にスポーツドリンクを飲まれる方がいらっしゃいますが、スポーツドリンクは糖分が非常に多く酸性が強い飲み物でむし歯のリスクが高くなるため当院では使用しないようにお願いしています。
こちらの記事でもスポーツドリンクの使用については推奨していません。ではどのように熱中症対策をすればいいのでしょうか?
屋内で熱中症にかかる人は増加しており、熱中症の30%以上が屋内で発症しています。
熱中症とは暑熱環境の影響で体内の水分や塩分のバランスが崩れておこります。熱射病、熱疲労、熱けいれん、熱失神などもすべて熱中症と総称されています。
症状は、めまい、失神、生あくび、大量の発汗、こむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐、意識喪失などを起こします。
予防のためには
①バランスの良い食事と水分補給
②十分な睡眠と休息
③服装の工夫
④屋内が高温多湿にならないような工夫
です。屋内の熱中症が増えていますので暑いときは我慢せず、クーラーが嫌い、とか言わないで適切にエアコン、扇風機で室温を調節してください。
水分補給は喉が乾く前に行いましょう。喉が渇いた状態ではすでに体の水分は不足しています。特に意識して水分補給して欲しいタイミングは
入浴前後、就寝前、起床時、外出前後、車の運転前
です。それぞれコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
日常生活での水分補給に適しているのは、水や麦茶などカフェインを含まないものです。
コーヒーや紅茶に入っているカフェインは利尿作用があるのでお勧めできません。
また、スポーツドリンクは塩分の補給になりますが糖質が多く含まれているため血糖値を上昇させます。また、むし歯になりやすいです。日本人は日頃から塩分が多めの食事を摂取している傾向にあるため、日常生活の中で熱中症予防として塩分入りの水を摂取する必要はありません。塩分入りの水を摂取することでかえって血圧が上昇し高血圧が悪化する可能性が有ります。
アルコールは摂取した量以上の水分が排泄されるので水分補給にはなりません。
スポーツや作業をするときには開始前から約15〜20分ごとにコップ1杯の水分を計画的に補給しましょう。汗が出た後肌を触ってベタベタするようであれば水と一緒に塩分も出ていることが多いです。そのようなときは塩分と水分の両方を適切に含んだものを飲みましょう(濃度0.1〜0.2%)
スポーツドリンクは塩分よりも糖質が多く含まれているためスポーツドリンクよりも経口補水液(ORS)と表示されているものにしましょう。自分で作るときは1リットルの水に約2グラム(ティースプーン半分)の食塩を溶かすだけでも作れます。レモン果汁で香りをつけると飲みやすくなります。

6月4日〜10日は歯と口の健康週間!

平成29年6月5日(月)と6日(火)に宝塚市の口腔保健センター(小浜2−1−30)で「歯の無料検診と相談」を行います。
10時から16時までで予約不要の先着順、無料です。
内容は、歯科検診・歯科相談・ブラッシング指導・虫歯予測テスト・噛むカムチェック・口臭測定などです。
お口のことでお困りの方は是非この機会にご相談ください。
4月18日は、良い歯の日!はこちら
11月8日は「いい歯の日」はこちら 2016年
11月8日は「いい歯の日」はこちら 2015年

禁煙者がふえると医療費は高くなる?!

禁煙
5月31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」です。
月刊 糖尿病ライフ さかえ 5月号の特集2に「そろそろ卒煙しませんか?」という記事が掲載されています。そこからの抜粋、改変です。
タバコには4000種類を超える毒性物質が含まれ、あらゆる病気のリスクとなっているのは皆様ご存知の通りで、タバコにメリットがないことも重々承知の上で喫煙していらっしゃる方も多いと思います。でもやめられない・・・
タバコを吸わなくても他の人のタバコの煙を吸うことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙は非喫煙者の心筋梗塞発症、ぜんそく発作のリスクを高める危険性があります。特に体が小さい乳幼児への受動喫煙の影響は強く、繰り返す中耳炎、気管支炎、ぜんそく発作、乳幼児突然死症候群のリスクであることがわかっています。その危険性が確実なのでWHOは受動喫煙は回避すべき、回避できるリスクであると表明し、職場と公衆の集まる場所を完全禁煙にする法律作りを実施するよう呼びかけています。
タバコ対策が進んでいる国では「屋内禁煙」です。屋内の禁煙化による健康被害の減少が各国から報告されています。
東京オリンピックが近づき日本の禁煙対策も話題に上っています。
「分煙」という言葉もありますが、海外からは理解されにくいのではないでしょうか?煙は漏れるので禁煙化とならないため、海外では「喫煙室」の設置が認められていません。「分煙」という概念があるのは実は日本だけだそうです。
新しいタバコは安全なのでしょうか?最近よく見かけるようになりました、加熱式タバコというものです。加熱式タバコは煙の害が少なく、有害物質も削減できると紹介されています。しかし、国立保健医療科学院の調査では加熱式タバコも発ガン物質が検出されており、煙は見えにくいですが喫煙者から吐き出される息から普通のタバコと同様の化学物質が検出されているため禁煙区域で使用してはいけません。また、乳幼児に対するリスクは変わりません。
ですから従来のタバコを加熱式タバコに変えても安全ではありません。
先日、日本経済新聞に興味深い記事がありました。
医療保険の費用に関する記事の中に「禁煙すると、喫煙による様々な健康被害が軽減され医療費は安くなると思われているが間違いである。短期的に見ると医療費は削減されるかもしれないが、長期で見ると禁煙により寿命が伸びるので総じて医療費は高くなる。」とのことです。喫煙により寿命が短くなるのは明らかなんですね。
日本の禁煙化がなかなか進まない本当の原因はそこにあるのかもしれません・・・
喫煙者は周りにいる人も歯周病にする!?はこちら

グローブは患者さんごとに替えてるの?

先日、「そちらに行ったことはないが質問があります」とお電話でこのようなお問い合わせをいただきました。
新聞に「歯科医院はグローブに血が付いていなければ使い回しをしている」という記事が載っていたそうです。今時そんなことしている歯科医院はないのではないかと思いますが・・・
私が大学を卒業した平成8年ごろは年配の先生はグローブをつけるどころか素手で治療していました。「お前の治療が遅いのはグローブみたいなもんつけてるからや!そんなもんつけてたら指先の感覚が鈍るやろう、素手でやらんかい!」と言われたことがあります。
それからもう20年も経っていますから今はもう素手で治療するような先生はいらっしゃらないんじゃないでしょうか?
グローブに関しても「患者さんごとにグローブを替えなくてもグローブごとしっかり手洗いしておけば1日中同じグローブでも問題ない」と言っていた先生がいらっしゃいました。グローブを石鹸で洗ったり、アルコール消毒したりするとグローブに穴が開く恐れがある、と言われていますし、それでは患者さんから患者さんへ感染させてしまいます。ですからグローブごと手を洗うということはあり得ません。
グローブは歯科医師、歯科衛生士、歯科助手すべてのスタッフが患者さんごとに使い捨てです。
「使っている道具はキレイなの?」はこちら