フッ素入り歯磨き粉のフッ素濃度が変わります!

平成29年3月17日に1000ppmを超えるフッ素濃度の歯磨き粉が医薬部外品として承認されました。
今まで日本では1000ppmが上限でしたがこの度1500ppmまで引き上げられました。
ISO(国際標準化機構)ではフッ素濃度の上限は1500ppmとされていますので諸外国の歯磨き粉のフッ素濃度は1100ppmか1450ppmの物が多いのです。
なぜ濃度にこだわっているか?というと「う蝕治療のガイドライン」に「初期根面う蝕に対して1100ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用だけでも表面の欠損の深さが0.5mm未満のう蝕であれば、再石灰化できる可能性がある」と記載されているからです。欠損の浅い初期の根面う蝕はまずフッ化物を用いた非侵襲的治療を行って再石灰化を試みう蝕を管理するよう推奨される、となっています。
推奨の強さはBですから「科学的根拠があり行うよう勧められる」というレベルです。
日本の歯磨き粉の主流は950ppmですからちょっと足りないのです。早く商品化されていい歯磨き粉が出てきたらまたお知らせします。
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痛いところが治ったらそれでいいのになんで「全体を調べてみよう」っていうの?

痛いところの処置が終わったら「一度全体をちゃんと調べてみたらどうですか?」と言われたことがありませんか?
「痛いところがなくなったし、忙しいからもういいよ」と思われているかもしれません。しかし、虫歯や歯周病というのは自覚症状がほとんどない病気です。
「虫歯は痛いでしょ」と言われる方が多いですが、実は多くの虫歯はかなり大きくならないとそれほど痛みがないのです。虫歯が大きくなればなるほど処置にかかる時間は長くなり、ひどい場合は歯の中にある神経を取らなくてはならない場合もあります。神経を取ると歯の寿命は短くなります。
歯周病はかなり進行しなければ痛みは出ません。歯がグラグラ動き始めて「食事をすると歯が動くから痛くて食べれない」という状況になるまであまり痛くなりません。食べれないほど歯がグラグラ動いている場合は歯を抜かなければならない場合があります。写真の方も自覚症状はありません。
歯ブラシの時に歯茎から血が出ても痛みがないので緊急性が感じられず放置されどんどん歯周病が進んでいってしまうことが多いのです。
自覚症状がほとんどない、というのが口の中の病気の特徴で、歯周病の検査、レントゲン撮影を行わなければ病状は把握できません。
口というのは1つの消化器官ですので1本の歯になんらかの症状が出ている場合は、他の歯も同様な条件下に置かれているため自覚症状なく同じような病気になっている可能性が高いわけです。ですから、痛みのある緊急性のある歯の治療がひと段落した時点で口の中全体の検査をお勧めして問題があるところがあれば早期に改善する、また、調べてみて問題がなければ良好な状態を維持するためにはどのようなことに気をつければよいかをお伝えしてご自分の歯を長く使用していただけるよう御提案しメインテナンスをさせていただきます。
自分の歯をしっかり守って美味しく食べて健康に過ごしていただきたいと思います。

歯を白くする歯磨き粉ってどんなの?


さまざまな歯磨き粉が販売されていますが当院でお勧めしているのはブリリアントモア(ライオン)です。
ちなみに歯磨きで歯を白くするのと、ホワイトニングで歯を白くするのは根本的に別物です。歯磨き粉は歯の表面についている着色汚れをきれいにするもの。ホワイトニングは歯そのものの色を白く変えることです。
美白歯磨剤と言われるこの歯磨き粉ブリリアントモアは研磨剤で着色を取り除くのではありません。歯の表面から着色汚れを浮き上がらせる化学的ステイン除去成分「ピロリン酸ナトリウム」が配合されていますので歯の表面を傷つけずに着色汚れを取り除き白い歯をキープできるのです。
もちろん虫歯予防のためのフッ素配合です。
さて以下は化学的な話になるので「どうやって化学的に着色汚れを取るの?」ということにご興味のある方はご覧ください。
着色汚れは負に帯電しています。歯の表面のエナメル質はカルシウムイオンで正に帯電しています。着色汚れはこの正と負のイオン結合でしっかり結びついています。
ピロリン酸ナトリウムは着色汚れよりもカルシウムイオンとの親和力が強いため着色汚れに取り変わってカルシウムイオンと結びつき着色汚れを浮き上がらせるのです。
歯を着色しやすい着色性食品
コーヒー、紅茶、コーラ、ウーロン茶、赤ワイン、ブルーベリー、カレーライス、醤油、ソースなど
着色を助長する着色補助食品
炭酸飲料全般、アルコール、スポーツドリンク、柑橘系の飲食物、クエン酸、お酢、梅干等
最近、「歯を白くする歯磨き粉」で「ちょっと高すぎるんじゃない?」と思うものもありますね。
参考までにこのブリリアントモアの歯科医院での販売価格は90g 950円(税別)です。
「歯科用」となっていますがネットでも購入できるようです。