ホワイトニングってどんなことするの?

マウスピース
ホワイトニングとは歯を削らずにご自分の歯そのものを白く・明るくすることです。
打撲によって変色した歯も、ある程度白くすることができます。
コーヒーや紅茶、ウーロン茶、赤ワインなどで歯についた茶渋をとったりするのは我々がよぶホワイトニングとは別物で、ステイン除去といいます。
すでに被せてあるものを白いものに作り替えたりすることもホワイトニングとは言いません。
ホワイトニングは歯を削らずにご自分の歯を白くするものですので、詰め物や被せてあるものを白くすることはできません。詰め物や被せてあるものはホワイトニングが終わってから白くなったご自分の歯の色に合わせて作り変える場合があります。
年齢的に少し黄ばんできた歯を白くするのはすごく綺麗に白くできます。子供の頃に飲んだ薬などが原因で歯が変色している場合はある程度白くできます。歯に詰めている金属の色が歯に移って黒くなってしまっているものはホワイトニングできません。
ホワイトニングができない方は

  • 18歳未満の方
  • 妊産婦、授乳中の方
  • 漂白剤やラテックスアレルギーの方
  • 健全でない歯
  • 知覚過敏のある方
  • 重度の歯周病の方
  • 金属素材による変色
  • 無カタラーゼ症

などです。
ホワイトニングには歯科医院内で行うオフィスブリーチングと、自宅で行うホームブリーチングがあります。
当院では以前、両方を合わせて行うコンビネーションブリーチングを実施しておりましたが、ホームブリーチングのほうが十分に白く透明感のあるホワイトニングができるようになりましたので現在はホームブリーチングのみ実施しております。
ホームブリーチングは写真のようなトレーを作成し、白くしたい歯の部分にホワイトニング用のジェルを入れて寝ている間、トレーを口の中に入れておいていただき歯を白くしていくものです。
ジェルは1週間で1本使用し、4週間続けていただくことで透明感のある白い歯を取り戻していただくことができます。
実際の方法は下記の動画をご覧ください。(コンビネーションホワイトニングの動画になっております)

治療中に予想される不具合としては知覚過敏が起きることが最も多いです。ジェルがしみます。その場合は毎日ジェルを入れるのを2、3日に1回にしてもらったりMIペーストという歯磨き粉をジェルの代わりに入れてもらったりして知覚過敏を防ぎます。
初めから知覚過敏の症状のある方にはシュミテクトという歯磨き粉をしみる部分に塗り込んでもらい、しみないようにしておきます。
その他の不具合として、歯ぎしりやくいしばりの強い方ではトレーに穴が開くことがあります。穴が開くとジェルがそこから漏れてしまいますので穴が開いた部分を厚めにしてトレーを作り替えます。
虫歯や歯周病がある方は基本的に治療が終了してからホワイトニングを開始します。
ホワイトニング効果の持続は以前は3ヶ月くらいと言われていましたが現在は1年くらい持続します。一度ホワイトニングしてしまえば今後は気になった時に一晩ジェルを入れてトレーをはめていただければ1回でホワイトニング後の白さまで一気に戻ります。
治療費はトレー5千円、ジェル1本5千円×4本で合計2万5千円(税別)です。上下する場合は5万円(税別)です。(医院によって異なります)
当院ではほとんどの方に、上をまずやって下もやるかどうか考えてもらうようにしていますので上下同時に進めることはまずありません。
詳細は人により異なりますのでご相談ください。

保険と自費はなぜこんなに金額の差があるのか?

「自費が高すぎる」と言われることがありますがそれは違います。
保険が安すぎるのです。
保険診療の金額は国が値段を決めた診療報酬です。
医療費全体のうち歯科がもらえる額は約7%です。残り93%は医科ですので歯科医療費はほとんど予算がないというのが現状です。
予算がない中で診療報酬を決めているので、材料などは診療報酬で決められた金額が我々の仕入れ値の原価割れをおこしていることもしばしばあります。
今年の1月から「ファイバーポスト」という良い材料が保険でも使用できるようになると聞き喜んでおりましたが、決められた金額を見て愕然としました。
ファイバーポストの定価は1本1000円(税別)ですが国が決めた我々が請求できる金額は890円です。完全に原価割れですね。これは定価の2割引が販売価格だろうということで決められているようですが、800円(税別)で仕入れたとしても税込864円です。なんと原価率97%!ありえません。
仕入れ値で販売している小売業の方っていらっしゃいますか?
せっかく良い材料が開発され保険で使えるように認められても原価割れするような値段をつけられたら誰も使いません。
金属の被せ物も原価率は約80%です。
歯科医療はひとりひとりの方に手作業でオーダーメードの治療をご提供しています。この世に手作りのオーダーメードで原価率が80%なんてものが存在するでしょうか?
保険診療ではこのような原価割れが多々あります。その分は我々の持ち出しになってしまうためできるだけ安い材料を使おうとします。当然、精度は落ちます。できるだけ安く作ってくれる技工士さんに作ってもらおうとします。技術は二の次になってしまいます。時間をかければかけるほど赤字になるので早く一人の方を終わらせなければなりません。薄利多売にならざるを得ないのです。
「保険で良いものを」と頑張っておられる先生もいらっしゃいますが、かなり難しいです。というか無理ではないでしょうか。「保険の範囲内で良いものを」というのであれば話はわかります。
口は人の体の入り口です。口の中が健康になることで体全体が健康になることは証明されているのに健康保険では口の中の健康に予算を分けてくれません。この国は国民の健康についてどれだけ真剣に考えているのか疑問に思うこともあります。
消費税が上がって医療費も上げてくれるのかと思いきやどうもそうではなさそうです。歯科においては「保険で良いものを」というのは夢の話ですね。
自費は原価割れするような値段設定は当然していません。
学会やセミナーなどにしっかり参加して知識と技術を研鑽し、ひとりひとりの方としっかりと向き合い、時間をかけて良い技術と良い材料を使用し、技術の高い技工士の方に作ってもらう、そうなると自ずと費用は高くなってしまいます。
大半が愚痴になってしまいましたが、自費が高いのではありません。保険が安すぎるのです。

麻酔について

虫歯の治療には必ずしも麻酔が必要なわけではありません。
しかし、歯の治療を行う際に麻酔が必要な場合があります。
麻酔がしっかり効けば歯を削る時の痛みはありません。
でも麻酔の針を刺す時はやっぱり痛いです。できるだけ痛くないように細い針(30G=直径0.3mm または33G=直径0.26mm)を使用しています。また、針を刺す部分にあらかじめ表面麻酔剤を塗る場合もあります。
麻酔したからといってすぐに痛みがなくなるわけではありません。麻酔薬が十分効いてくる約7分を待ってから治療を開始します。
麻酔薬も常時3種類用意しておりますので、その方のお身体、投薬状態に合わせた麻酔を選択することができます。
できるだけ痛みを感じることが少なくなるよう細心の注意を払って治療に望んでいます。
歯の痛みが強すぎて歯の神経が炎症反応を起こしている時には麻酔が効きにくくなっています。
虫歯の痛みを限界まで我慢して「痛くてたまらない」という時には麻酔が効かないことが多いです。麻酔が効かなければ歯を削れません。その場合、抗生剤、消炎剤で炎症を抑えてからでないと麻酔が効きませんので当日の処置は大抵できません。
薬を飲んでいただいてから後日改めて処置、となります。
痛みを限界まで我慢せず、「おかしいな」と思ったら早めに受診していただき、十分に麻酔が効く状態で痛みを最小限に抑えて治療を受けていただきたいと思います。
写真は注射器です。

歯科用ルーペ(拡大鏡)について

人間の目で見える物の大きさには限界があります。
勤務医の時は裸眼で治療していました。
それでいい治療をしていると自負していました。
もっとはっきり見てみたいと思い、平成19年、独立開業して1年目に2.5倍のルーペ(拡大鏡)をつけて治療するようになりました。
世界観が変わりました。
しかし、2.5倍では見えない壁にぶつかりました。平成24年からサージテルの6倍のルーペ(拡大鏡)を使用するようになりました。
見えなかった部分が見えてきましたが視野が暗いことが気になりました。
もっと見たくなりました。
平成26年から6倍ルーペにLEDライトをつけて治療するようになりました。
裸眼では見えないものが手に取るように見えます。
普段のライトでは暗くて見えなかったものが明るくはっきり見えます。
見えることによりさらに治療の精度が上がりました。
見えることにより治療のスピードが上がりました。
大きく明るく見ることで診断が正確に、治療が精密にスピーディになりました。
今ではルーペ(拡大鏡)なしの治療は考えられませんので自費、保険に関係なく全ての治療で使用しています。
私が使用しているルーペ(拡大鏡)はサージテルの6倍。
LEDライトはサージテルのハイ・インテンシティです。
「ミクロの世界」と「歯の治療」の意外な関係はこちら
「拡大鏡をつけている歯医者なんてあんまり見ないけどなんか意味あるの?」はこちら