「酒は百薬の長」には続きがある

*写真と本文は関係ありません。たまたまお酒の写真がこれしかなかっただけです。
「「酒は百薬の長」やから適度に飲んだら体にええねん!」と言いながら足元がふらつき、ろれつが回っていない人を見かけませんか?
適量に抑えることができれば体に良いのかもしれませんが酒好きの人が適量のお酒を飲むなんてことはおそらく不可能です。
缶ビール1本で十分なんていう酒好きはいないのではないでしょうか?
「酒は百薬の長、されど万病の元」
適量であれば体に良いなんて言われていますが、飲み過ぎれば万病の元になる危うい飲み物です。しかも依存性が高いのです。(ニコチンの10倍と言われています)
タバコの吸い過ぎで人生狂った方はあまりいないかもしれませんがアルコールで人生狂った方はたくさんいます。
タバコを吸い過ぎて気分が悪くなることはあっても記憶がなくなることはありません。
アルコールを飲みすぎると記憶がなくなります。(タバコを肯定しているわけではありません。アルコールもタバコも薬物依存症です)
暑くなりビールが美味しい季節がやってきます。酒は万病の元、くれぐれも飲みすぎにはお気をつけください。
さて、どれくらいが飲みすぎなのでしょうか?
日本アルコール・薬物医学会では「飲酒家」と「非飲酒家」を区別しています。
「酒飲み」である飲酒家は男性では1日のアルコール摂取量が20g以上、女性では10g以上を毎日飲む人となっています。
いったいどれくらいの量かというと350mlの缶ビール1本でアルコール摂取量は13〜14gです。
男性なら毎日缶ビールを2本飲む人は、「酒飲み」です。
女性なら毎日缶ビール1本飲む人は「酒飲み」です。
いかがですか?ご自分の基準と比べてみて・・・
ちなみに私はこの基準から考えると「超酒飲み」です。

熱中症対策 〜スポーツドリンクは熱中症予防になるのか?〜

もうすでに真夏日です。熱中症対策が必要です。
月刊糖尿病ライフ さかえ 6月号の特別企画2に「水分補給と熱中症対策」という記事が掲載されていました。
熱中症予防にスポーツドリンクを飲まれる方がいらっしゃいますが、スポーツドリンクは糖分が非常に多く酸性が強い飲み物でむし歯のリスクが高くなるため当院では使用しないようにお願いしています。
こちらの記事でもスポーツドリンクの使用については推奨していません。ではどのように熱中症対策をすればいいのでしょうか?
屋内で熱中症にかかる人は増加しており、熱中症の30%以上が屋内で発症しています。
熱中症とは暑熱環境の影響で体内の水分や塩分のバランスが崩れておこります。熱射病、熱疲労、熱けいれん、熱失神などもすべて熱中症と総称されています。
症状は、めまい、失神、生あくび、大量の発汗、こむら返り、頭痛、吐き気、嘔吐、意識喪失などを起こします。
予防のためには
①バランスの良い食事と水分補給
②十分な睡眠と休息
③服装の工夫
④屋内が高温多湿にならないような工夫
です。屋内の熱中症が増えていますので暑いときは我慢せず、クーラーが嫌い、とか言わないで適切にエアコン、扇風機で室温を調節してください。
水分補給は喉が乾く前に行いましょう。喉が渇いた状態ではすでに体の水分は不足しています。特に意識して水分補給して欲しいタイミングは
入浴前後、就寝前、起床時、外出前後、車の運転前
です。それぞれコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
日常生活での水分補給に適しているのは、水や麦茶などカフェインを含まないものです。
コーヒーや紅茶に入っているカフェインは利尿作用があるのでお勧めできません。
また、スポーツドリンクは塩分の補給になりますが糖質が多く含まれているため血糖値を上昇させます。また、むし歯になりやすいです。日本人は日頃から塩分が多めの食事を摂取している傾向にあるため、日常生活の中で熱中症予防として塩分入りの水を摂取する必要はありません。塩分入りの水を摂取することでかえって血圧が上昇し高血圧が悪化する可能性が有ります。
アルコールは摂取した量以上の水分が排泄されるので水分補給にはなりません。
スポーツや作業をするときには開始前から約15〜20分ごとにコップ1杯の水分を計画的に補給しましょう。汗が出た後肌を触ってベタベタするようであれば水と一緒に塩分も出ていることが多いです。そのようなときは塩分と水分の両方を適切に含んだものを飲みましょう(濃度0.1〜0.2%)
スポーツドリンクは塩分よりも糖質が多く含まれているためスポーツドリンクよりも経口補水液(ORS)と表示されているものにしましょう。自分で作るときは1リットルの水に約2グラム(ティースプーン半分)の食塩を溶かすだけでも作れます。レモン果汁で香りをつけると飲みやすくなります。

禁煙者がふえると医療費は高くなる?!

禁煙
5月31日は世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」です。
月刊 糖尿病ライフ さかえ 5月号の特集2に「そろそろ卒煙しませんか?」という記事が掲載されています。そこからの抜粋、改変です。
タバコには4000種類を超える毒性物質が含まれ、あらゆる病気のリスクとなっているのは皆様ご存知の通りで、タバコにメリットがないことも重々承知の上で喫煙していらっしゃる方も多いと思います。でもやめられない・・・
タバコを吸わなくても他の人のタバコの煙を吸うことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙は非喫煙者の心筋梗塞発症、ぜんそく発作のリスクを高める危険性があります。特に体が小さい乳幼児への受動喫煙の影響は強く、繰り返す中耳炎、気管支炎、ぜんそく発作、乳幼児突然死症候群のリスクであることがわかっています。その危険性が確実なのでWHOは受動喫煙は回避すべき、回避できるリスクであると表明し、職場と公衆の集まる場所を完全禁煙にする法律作りを実施するよう呼びかけています。
タバコ対策が進んでいる国では「屋内禁煙」です。屋内の禁煙化による健康被害の減少が各国から報告されています。
東京オリンピックが近づき日本の禁煙対策も話題に上っています。
「分煙」という言葉もありますが、海外からは理解されにくいのではないでしょうか?煙は漏れるので禁煙化とならないため、海外では「喫煙室」の設置が認められていません。「分煙」という概念があるのは実は日本だけだそうです。
新しいタバコは安全なのでしょうか?最近よく見かけるようになりました、加熱式タバコというものです。加熱式タバコは煙の害が少なく、有害物質も削減できると紹介されています。しかし、国立保健医療科学院の調査では加熱式タバコも発ガン物質が検出されており、煙は見えにくいですが喫煙者から吐き出される息から普通のタバコと同様の化学物質が検出されているため禁煙区域で使用してはいけません。また、乳幼児に対するリスクは変わりません。
ですから従来のタバコを加熱式タバコに変えても安全ではありません。
先日、日本経済新聞に興味深い記事がありました。
医療保険の費用に関する記事の中に「禁煙すると、喫煙による様々な健康被害が軽減され医療費は安くなると思われているが間違いである。短期的に見ると医療費は削減されるかもしれないが、長期で見ると禁煙により寿命が伸びるので総じて医療費は高くなる。」とのことです。喫煙により寿命が短くなるのは明らかなんですね。
日本の禁煙化がなかなか進まない本当の原因はそこにあるのかもしれません・・・
喫煙者は周りにいる人も歯周病にする!?はこちら

特定保健用食品(トクホ)って何なん?


日本糖尿病協会が発行する「月刊糖尿病ライフ さかえ 10月号」にわかりやすく記載されていましたのでまとめてみました。
食品には写真の図のように効果・効能の表示が認められていない「一般食品」と、効果・効能の表示が認められている「保健機能食品」に分けられます。
一般に健康食品と言われているものは「体に良さそう」と思って食べたり飲んだりするものですが効果や効能を書いてはいけないことになっています。逆に言えば効果・効能を書いていなければ何を書いてもいいわけです。ですから効果がありそうな気がする文言が書いてあります。病気を改善する健康食品はありません。健康食品は一般食品に含まれています。また健康食品の中には錠剤や粉末になっていていかにも薬っぽく効きそうなサプリメントといわれるものがありますがこれも一般食品です。病気を改善するものではありません。効きそうな気がするだけです。
保険機能食品のなかには写真の図のように「特定保健用食品」(健康増進法で規定)「栄養機能食品」「機能性表示食品」(それぞれ食品表示法で規定)があります。
特定保健用食品はトクホと呼ばれています。消費者庁に届け出が必要で個別に審査され、許可をもらわなければなりません。病気の治療に用いるのではなく、健康が気になる方を対象に作られた食品です。効果はかなり小さいので多大な期待を寄せないように注意が必要です。
栄養機能食品は届け出の必要がありません。栄養成分の機能を、定められた表現でのみ表示することができます。定められた表現しかできないので販売者にとってはあまりメリットがないのではないでしょうか。
機能性表示食品は健康政策ではなく、経済活性化のために作られた制度です。健康食品事業の活性化を目的に作られた制度であって国民の健康増進のために作られた制度ではありません。つまり、商品販売が目的の制度というわけです。届け出のみで審査はありません。審査がないので販売事業者の主張したいことが書かれています。ですから消費者は消費者庁の「機能性表示食品に関する情報」のホームページ(http://www.caa.go.jp/foods/index23.html)に開示された情報を自分で確認し利用価値があるかどうか自分で判断しなければなりません。開示された情報の科学的根拠の質についての検証はこちらをご覧ください。http://www.caa.go.jp/foods/pdf/food_with_function_report_0001.pdf
売る側にとって都合の悪いことは知らせない広告もあるので開示された情報に科学的根拠があるのかどうか、また採用されている論文の質が高いかどうか自分でしっかり吟味する必要があります。
審査・許可が必要な特定保健用食品でさえ効果はかなり小さいといわれていますのでその他の食品の効果はたかが知れていると思います。一般的な健康食品はなおさらでしょう。
国の制度に基づいているのですが保健機能食品の機能性(効果・効能)はほんの少ししかありません。保健機能食品をふくめた「健康食品」の類の宣伝文句に誘惑されないよう適切な食生活や運動などは、かかりつけの医療スタッフと相談し医師からの投薬はしっかり守って健康維持に努めましょう。

「体重を毎日計るだけで減量できる」を実践してみました!


以前このブログで体重を毎日計るだけで2年間で4〜5kg減量できるかも?という記事を書かせていただきました。
実際に3月からの5ヶ月間ですが実践してみた結果です。
この5ヶ月間ほぼ毎日計りました。
夜測ろうと思うと忘れてしまうことがあるので毎朝起きてすぐに計るようにしました。結果はグラフをご覧の通り、63kgあった体重が一番軽いときで58kgです。今はほぼ59kgくらいで安定した感じです。
5ヶ月で約4kgの減量です。
本当に体重測っただけか?と言われそうなのでその間に気をつけたことを記載しておきます。
1 体重は起床時に必ず計る
2 万歩計をつけて1日1万歩歩くように気をつける(気をつけるだけで足りなくても気にしない)←5月に足を痛めて中止しました。
3 ゆっくりよく噛んで食べる(一口30回を目安)←気がついたら忘れていました・・・
この3点です。食べ物を制限することは特にしませんでした。
ただ最近、アルコールを摂取すると湿疹が出て睡眠不足になるため5月中旬からアルコールは控えています。減量のために止めたわけではありませんが今までアルコール摂取とともに食べていたスナック菓子は激減しています。
5月中旬までにも順調に減量されているのでアルコールの摂取自体はそれほど影響ないかと思います。
いかがですか?体重が気になる方、試してみませんか?