最近の顎関節症の考え方

顎関節症の治療指針2018が出されています。
詳しくはこちら
顎関節症は咀嚼筋(顎を動かす筋肉)の痛み、顎の関節の音、口が開けにくい、口を動かしにくいなどの症状をまとめた診断名です。
発症メカニズムは不明なことが多いのです。
治療の進め方は日常生活に困らないほどに症状を回復させることです。
顎関節症は時間経過とともに改善し、治癒していく疾患であることが示されています。自覚症状は保存的治療によって良好に緩和することがほとんどです。
そのためできるだけ保存的で可逆的な治療を行うことが推奨されています。
基本治療を1〜3ヶ月行っても改善しない場合はMRI撮影を行ったり専門的治療が必要な場合があるとされています。
ただ、鑑別しなければならない疾患もありますので気になるときはかかりつけの歯科医院で相談してください。

保険でできる白い歯が増えます。

2017年12月1日より保険でできる白い歯の範囲が拡大されました。
CADCAM冠といわれるすべてプラスチックでできた歯です。
単冠と呼ばれる1本だけかぶせる場合に限られます。ブリッジの適応はありません。
これまでは小臼歯に限られており、金属アレルギーのある方のみ医師の診断書があれば大臼歯にも適応可能でした。
このたび、上下左右の第2大臼歯がそろっていて噛み合わせがしっかりしている場合に
”下顎の第1大臼歯に限り”、使用できるようになりました。
歯科用金属アレルギーのある方はこれまで通り医師の紹介状があればどの大臼歯でもCADCAM冠を入れることが可能です。
保険の白い歯は、削る量が多かったり、はずれたり、割れたりと課題がまだまだ残されていますが、
患者様にとっては金属ではない白い歯にできるというメリットがあります。
我々歯科医師にとっては、銀色の金属は時価で変動しているため、金属代が高騰している昨今、変動しない保険で決められた価格だと「銀色の歯を入れると原価割れすることがある」、と言う不安を払拭できるというメリットがあります。
「いったいどの歯まで保険で白い歯が被せられるの?」はこちら
「奥歯って保険で白いの出来るんですか!?」はこちら
「自費でできる白い歯」はこちら

なぜムシ歯になるのですか?〜小学4年生からの質問〜

虫歯
そもそもムシ歯とは?
口の中には700〜800種類の細菌が住んでいると言われています。
その中にムシ歯の原因となる虫歯菌も住んでいます。
虫歯菌は砂糖が大好きで砂糖を取り込んで分解し酸を出します。
その酸で歯が溶けます。
歯が溶けると穴があきます。
その穴が虫が食ったように見えるのでムシ歯と呼ばれています。
ムシ歯は実はなりにくい病気です。
4つの条件が揃わないとムシ歯にならないと言われています。
その4つの条件とは
1虫歯菌がいること
2砂糖の摂取量
3歯や唾液の質
4時間
です。
この4つの条件が重なるとムシ歯になります。
これらの条件をコントロールして重ならないようにしてやるとムシ歯になりにくくすることが可能です。
長くなってしまうのでその方法については次回に回します。

自費でできる白い歯

自費でできる白い歯の代表はセラミック(陶器)でしょう。昔からあるメタルボンドと言われるものが一番有名で安定感があります。
金属の上に陶材を焼き付けていくもので芯の部分は金属、見える部分は陶材で歯のように見えます。陶材焼き付け鋳造冠とも呼ばれます。
最近は芯の部分までセラミックでできているオールセラミックと呼ばれる材料が多く出てきました。金属を一切使用しないので透明度が高く本物の歯とほとんど見分けがつかないまでになっています。セラミックですのでプラスチックと違い強度も十分あり問題ありません。精度も鋳造冠と遜色ないまでになってきました。
自費で作る歯は口腔内写真を撮影し残っている歯と同じ色が再現できるよう写真も技工士さんに提供します。歯肉圧排を行い、削っている部分を明確にして精度の高いシリコン印象材を使用して型取りをします。また噛み合わせもシリコンで正確に調べます。超硬石膏を使用し精度を上げます。技工士さんは自費を専門に扱っているスペシャリストで日本国内の技工所にお願いして作成してもらいます。
口腔内にセットするときも十分な前処理を行い、専用の接着剤を使用します。
自費の欠点は健康保険の適応外なので3割負担という窓口負担金が定価の7割引の激安制度が使用できない点です。また、精度を上げるための工程がたくさんあるため、保険診療よりも少し時間がかかります。それ以外に欠点は見当たりません。
「奥歯って保険で白いのできるんですか!?」はこちら
「保険でできる白い歯が増えます」はこちら

奥歯って保険で白いの出来るんですか!?〜保険と自費の白い歯は何が違うのか?〜

「奥歯は保険で白い歯はできません」聞かれたことがあると思います。
まとめて書こうと思ったのですが思いのほか長くなってしまうのでまずは奥歯の保険の歯について。
単冠と呼ばれる1本だけをかぶせる場合のお話です。
ブリッジはより細かな制限があるのであてはまりません。
今のところ健康保険で白くできるのは第2小臼歯(糸切り歯の2つ奥)までです。白くできるものはかぶせるものに限ります。部分的に、はめ込むもの(インレー、オンレー)でチラッと金属が見えるものは今でも白いものは保険では認められていません。CR(コンポジットレジン)と言われる小さい虫歯に詰めるプラスチックは保険で認められていますが大きな虫歯には向いていません。
金属アレルギーがある方は大臼歯まで保険で白いかぶせる歯が認められています。(医師の診断書が必要です)
では、保険で認められている白い歯はどのようなものなのか?
前歯と臼歯で材料が異なっています。なぜ違うのか時々質問されますが、それはお上が決めることですので我々に聞かれてもわかりません。健康保険にはお上が決めた多くの細かい決まりごとがあるのです。
では、小臼歯で保険が認められる白い歯の材料は?
硬質レジンジャケットクラウンとCADCAM冠の2種類です。
どちらも歯科医院で型をとり、一般的に技工士さんが製作します(まれに歯科医師が自分で作る場合もあります)
歯肉圧排は行わず、型をとる材料は一般的に寒天+アルジネートと言われる安価で簡便な印象材が使用されます。石膏は硬石膏を用います。ですので精度は二の次になってしまうのは致し方ありません。
当院では日本国内の技工所にお願いして作ってもらっています。一般的に自費と保険では作ってくれる技工士さんが異なります。
硬質レジンジャケットクラウンは技工士さんが模型の上でプラスチックを積み上げながら歯の形を作っていくもので全てがプラスチックでできています。
見た目は綺麗ですが強度に少し不安があります。時々外れたり、壊れたりすることがあります。プラスチックですので長年使用していただくと変色してくることがあります。
硬質レジンジャケットクラウンは小臼歯に使用する場合「応分の咬合圧に十分耐えられることが条件」と記載されています。前歯よりも力がかかるので力がかかりすぎる場合は適応ではありません。(例えば奥歯がなくて小臼歯が噛み合わせの中心を担っている場合など)
CADCAM冠はプラスチックの塊をコンピューターがくり抜いて歯の形を作るものです。硬質レジンジャケットクラウンより物性は優れていますが接着が難しく外れることが時々あります。
小臼歯に保険で認められている白い歯は全てプラスチックです。
経年的な変色、破折、脱離はある程度は致し方ないと考えられます。
しかし、型取りから口の中に装着するまでだいたい3万5千円くらいするものが窓口3割負担の約1万円で処置してもらえるので何と言っても安価です。
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