小学校のブラッシング指導

宝塚市の小学校の学校医をしているので、年に1回歯科衛生士さんと一緒にブラッシング指導に行きます。
以前は小学2年生対象に行っていましたが、2年生ではまだ自分で磨くことと、むし歯の成り立ちなどを理解するのが難しいことから小学4年生対象に変更してもらいました。
4年生だとある程度は自分で磨けますし、難しい話も理解できています。
毎年、ブラッシング指導前に「児童からの質問」を受け付けていて保健の先生にお願いしています。
今年は例年よりたくさん質問をいただきましたのでこちらのブログでも紹介していこうと思います。
大人だと聞いてみたいけど今更聞けない!という質問も入っているかもしれません。

予防歯科

80歳で20本歯がある人って何人くらいいるの?〜8020運動〜

2016年の日本人の平均寿命は男性80.96歳、女性87.14歳です。歯科疾患実態調査の結果から80歳で20本以上歯がある方は51.2%になっています。10年前の約2倍に増えました。
平均寿命と歯の本数には相関関係があります。
また、定期的な歯科検診を受け、口の中の健康が維持されている方はかかる医療費が少ないというデータもあります。
おいしいいものを食べるには自分の歯でしっかり食べるのが一番。
定期検診をしっかり受けて、美味しく食べて健康に!
「8020運動ってご存知ですか?」はこちら

処方箋には有効期限があるって本当?

「病院で薬もらったけど近くに薬局ないしまたあとで貰いに行こう」
と思って後日貰いに行ったら「有効期限切れです」なんて言われたことありませんか?
処方箋には有効期限があります。
「処方箋使用期間」という欄があって「特に記載のある場合を除き、交付の日を含めて4日以内に保険薬局に提出すること」と小さい字で書かれています。
「あとで行こう」と思うとあっという間に4日くらい過ぎてしまいますから処方箋をもらったら帰りに必ず薬局に寄るようにしましょう。

自費でできる白い歯

自費でできる白い歯の代表はセラミック(陶器)でしょう。昔からあるメタルボンドと言われるものが一番有名で安定感があります。
金属の上に陶材を焼き付けていくもので芯の部分は金属、見える部分は陶材で歯のように見えます。陶材焼き付け鋳造冠とも呼ばれます。
最近は芯の部分までセラミックでできているオールセラミックと呼ばれる材料が多く出てきました。金属を一切使用しないので透明度が高く本物の歯とほとんど見分けがつかないまでになっています。セラミックですのでプラスチックと違い強度も十分あり問題ありません。精度も鋳造冠と遜色ないまでになってきました。
自費で作る歯は口腔内写真を撮影し残っている歯と同じ色が再現できるよう写真も技工士さんに提供します。歯肉圧排を行い、削っている部分を明確にして精度の高いシリコン印象材を使用して型取りをします。また噛み合わせもシリコンで正確に調べます。超硬石膏を使用し精度を上げます。技工士さんは自費を専門に扱っているスペシャリストで日本国内の技工所にお願いして作成してもらいます。
口腔内にセットするときも十分な前処理を行い、専用の接着剤を使用します。
自費の欠点は健康保険の適応外なので3割負担という窓口負担金が定価の7割引の激安制度が使用できない点です。また、精度を上げるための工程がたくさんあるため、保険診療よりも少し時間がかかります。それ以外に欠点は見当たりません。
「奥歯って保険で白いのできるんですか!?」はこちら
「保険でできる白い歯が増えます」はこちら

奥歯って保険で白いの出来るんですか!?〜保険と自費の白い歯は何が違うのか?〜

「奥歯は保険で白い歯はできません」聞かれたことがあると思います。
まとめて書こうと思ったのですが思いのほか長くなってしまうのでまずは奥歯の保険の歯について。
単冠と呼ばれる1本だけをかぶせる場合のお話です。
ブリッジはより細かな制限があるのであてはまりません。
今のところ健康保険で白くできるのは第2小臼歯(糸切り歯の2つ奥)までです。白くできるものはかぶせるものに限ります。部分的に、はめ込むもの(インレー、オンレー)でチラッと金属が見えるものは今でも白いものは保険では認められていません。CR(コンポジットレジン)と言われる小さい虫歯に詰めるプラスチックは保険で認められていますが大きな虫歯には向いていません。
金属アレルギーがある方は大臼歯まで保険で白いかぶせる歯が認められています。(医師の診断書が必要です)
では、保険で認められている白い歯はどのようなものなのか?
前歯と臼歯で材料が異なっています。なぜ違うのか時々質問されますが、それはお上が決めることですので我々に聞かれてもわかりません。健康保険にはお上が決めた多くの細かい決まりごとがあるのです。
では、小臼歯で保険が認められる白い歯の材料は?
硬質レジンジャケットクラウンとCADCAM冠の2種類です。
どちらも歯科医院で型をとり、一般的に技工士さんが製作します(まれに歯科医師が自分で作る場合もあります)
歯肉圧排は行わず、型をとる材料は一般的に寒天+アルジネートと言われる安価で簡便な印象材が使用されます。石膏は硬石膏を用います。ですので精度は二の次になってしまうのは致し方ありません。
当院では日本国内の技工所にお願いして作ってもらっています。一般的に自費と保険では作ってくれる技工士さんが異なります。
硬質レジンジャケットクラウンは技工士さんが模型の上でプラスチックを積み上げながら歯の形を作っていくもので全てがプラスチックでできています。
見た目は綺麗ですが強度に少し不安があります。時々外れたり、壊れたりすることがあります。プラスチックですので長年使用していただくと変色してくることがあります。
硬質レジンジャケットクラウンは小臼歯に使用する場合「応分の咬合圧に十分耐えられることが条件」と記載されています。前歯よりも力がかかるので力がかかりすぎる場合は適応ではありません。(例えば奥歯がなくて小臼歯が噛み合わせの中心を担っている場合など)
CADCAM冠はプラスチックの塊をコンピューターがくり抜いて歯の形を作るものです。硬質レジンジャケットクラウンより物性は優れていますが接着が難しく外れることが時々あります。
小臼歯に保険で認められている白い歯は全てプラスチックです。
経年的な変色、破折、脱離はある程度は致し方ないと考えられます。
しかし、型取りから口の中に装着するまでだいたい3万5千円くらいするものが窓口3割負担の約1万円で処置してもらえるので何と言っても安価です。
「いったいどの歯まで保険で白い歯が被せられるの?」はこちら
「自費でできる白い歯」はこちら
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